軽い・安い・測定が簡単・JIS対応も可能
ものつくり大学 松岡大介教授/HEAT20 気密性能評価TG主査(中央)
住宅の暖冷房費が家計を圧迫する時代です。住宅建設工事終了後に全棟「気密測定」を行えば、気密性能を確認した住まいを建て主に提供でき、自社の施工品質を点検&品質向上につなげていくことができます。
しかし、測定者の手配、2時間近い測定時間、気密測定器の値段などがネックとなり、気密測定の普及拡大を妨げています。新築だけでなくリフォームでも多くの住宅会社様が、気密測定を手軽に実施できるように、C値の測定器=「シーチア」を開発しました。
軽い
シーチアの重量は2キロ程度です。その他備品を含めても総重量7キロ程度でバック一つに収まります。
設置が早い
レンジフードに測定器がついたビニールのフードカバーをマグネットや養生テープで取り付けるだけで済み、設置時間は従来の約3分の1以下です。設置から測定までは10~20分程度でできます。
1 換気口の気密処理
2 レンジフードにシーチアを設置
3 レンジフードを運転し、風量と差圧を計測
4 測定値をアプリに入力してC値を計算
測定が簡単
測定にはスマホの専用アプリを使い、画面の指示通りに建物情報や測定数値を入力するとC値や通気率などが表示されるので簡単に測定が可能。
初期投資が安い
シーチア本体の費用は49万8000円と従来品の約半分以下であることも大きなポイントです。
多くの住宅で気密測定を実施する時代に
これから気密測定に取り組もうとしているビルダー、全棟検査を訴求しようとしているビルダー様に最適です。また、リノベーションで断熱・気密改修を行う際、気密工事をしながら測定して効果を確認する事が可能など、“手軽さ”を生かした使い方が可能です。
「シーチア」は、住宅の気密と気密測定をもっと一般的に広げるということを目的にC値の厳密な測定よりも“手軽さ”を重視しています。HEAT20の躯体WG主査も務める松岡大介教授は「今後、気密をしっかりと取り、それを測定で証明することは当たり前となるだろう」と語り、それはC値の数値そのものを競うためではなく「気密をちゃんと確認して引き渡すということ」が重要なのではと指摘しています。測定により確認することが当たり前になる世の中にするために、手軽なレンジフードでできる測定器の開発が役に立てばうれしいかぎりです。